ハニー文庫『官能に堕ちた巫女王~皇帝に暴かれた芙蓉国~ 番外編~皇帝と皇妃の蜜月~』

 妻が――可愛い。

 

 ランドルフは皇帝であるというのに、だらしなく緩みそうになった顔をクッと堪える。

 

 お陰で元から精悍な顔つきがさらに引き締まり、側に立っていた衛兵がハッとして緊張したほどだ。
 帝国にマリアリーシャを連れて来たあと、彼は泳ぎの練習と称してマリアリーシャに様々な水着を与えていた。
 最近のお気に入りは、白いレースの水着だ。
 あのたわわで真っ白な胸を中心でギュッと縛るようなスタイルのトップと、細く括れた腰から艶めかしい臀部を包むのは、同じくレースの腰巻きだ。
 どちらもスケスケのレースなのではなく、ちゃんと地の布がある。いや、スケスケレースでもランドルフは一向に構わないのだが、その際、彼女の姿を見た者がいれば何らかの処遇を考えなければいけない。

 

 愛する女の事を考える時だけ、賢帝とも呼ばれているランドルフは非常に残念な思考になってしまう。
 泳ぎの訓練の時は屋内プールに二人だけになり、人払いをする。衛兵に入っていいと伝えるのは、マリアリーシャの肌が隠れたあとだ。

 

 そんな楽しいイチャイチャ……もとい泳ぎの訓練はひとまず置いておいて、マリアリーシャの両親を無事捜し当て、後悔のないようにして式を挙げた。
 それからの初夜もつつがなく済ませ、ランドルフは蜜月を楽しみ尽くしていた。
 蜜月のために仕事を前倒しにして大事な用はほぼ済ませておいた。臣下たちにも余程の急用でなければ声を掛けるなと言い、どうしてもと設けた執務時間には、最終的にランドルフが目を通す書類のチェックだけにしておく。
 もちろんマリアリーシャが望めば、帝都を案内したり貴族たちとのお茶会に混じったりもするつもりだ。
 だが奥ゆかしい彼女はまだ帝都に慣れていないらしく、ランドルフがいない時は大人しく本を読んで待ち、彼が夫婦の部屋に戻ってきた時はパァッと表情を明るくさせ、「お帰りなさい、ランドルフ」と言ってくれる。
 求めれば恥じらいつつも応えてくれ、毎晩抱いていた。
 さすがに毎晩長時間抱き続けると、マリアリーシャの体力も減っていったのか、彼女は朝方も起きられずにぐっすりと寝ている事が多くなる。

 

 

「求めてくださるのは嬉しいのですが、私も体力をつけなくては、出歩けなくなります」

 

 夜、天蓋の中で夫婦はベッドに寝転び、金色の杯に入れた大粒の葡萄を摘まんでいた。
 ランドルフはマリアリーシャの小さな口に葡萄を押し込み、彼女が「ん、ん……」と懸命に口に迎え入れるのを卑猥な想いで見ている。

 

「いっそ出歩かなくてもいいと思うけどな……」

 

 寝そべったままボソッと呟いた言葉は、シーツに吸収されくぐもった音となる。

 

「え? 何かおっしゃいましたか?」

 

 うつ伏せになったマリアリーシャは、たわわな胸をシーツに押しつけ、美しい金色の髪の毛先を弄っている。
 ふっくらと大きな乳房がシーツの平らな面に押しつけられた、絶妙なまろみが何とも言えない。

 

(この世の中に、これ以上美しい形があるのだろうか)

 

 男前な顔のまま、ランドルフは妻に溺れきった思考で考える。

 

(いや、こっちも捨てがたい)
「あん……っ」

 

 マリアリーシャの体を凝視したまま、ランドルフは手を彼女の背中からくびれた腰へとツゥッと滑らせる。下り坂を下りきってから、手が迎えるのは張りのある丸い尻だ。

 

「美しい……」

 

 そのまま手を臀部に滑らせ、ランドルフはサワサワと妻のお尻を撫で回す。

 

「や……っ、も、もう……っ。お戯れは……っ」

 

 体を捻らせたマリアリーシャの乳房がたゆっと揺れ、ランドルフの視線はそちらに釘付けになる。

 

(ああ、両方美しい。どちらもけしからん)

 

 うなるように溜め息をついたあと、ランドルフはマリアリーシャの体を仰向けにしてのし掛かった。

 

「きゃ……っ?」

 

 一度交わったあとなので、二人とも一糸まとわぬ姿だ。
 ランドルフの真剣な目と、立ち上るオスの熱気に、マリアリーシャは彼が何を望んでいるのかすぐに察したようだ。
 白い頬をサッと染めると、彼女は視線を逸らして囁いた。

 

「あまり激しくしないでください……」

 

 疲れているだろうに、あくまで夫を受け入れるという、そのいじらしい姿がいけなかった。

 

「あ……っ」

 

 もうすでに芯を持っていたモノを自身の手で数度しごき、ランドルは妻の腰を跨いだ。

 

「使えるようになるまで、君の胸を使わせてもらってもいいだろうか?」
「え? ……え、ええ……」

 

 閨の事をそれほど分かっていないマリアリーシャは、眼前に迫るランドルフの雄を見て、頬を染めたまま頷いた。
 妻の承諾を得て、ランドルフは真っ白で大きな乳房の谷間に自身の肉茎を置く。そして両側からぱふっと乳房を集めると、ズッズッと腰を前後させ始めた。

 

「あ……っ、や……っ、な、なに、これ……っ」

 

 自分の乳房を使って擬似的な性行為を行うなど思わなかったのか、マリアリーシャは真っ赤になって焦る。

 

「マリア、両側から胸を支えていてくれるか?」
「は、はい」

 

 だが夫に求められて従順に頷き、自分の乳房の中でランドルフの一物がムクムクと大きくなっていくのを感じる。
 いっぽうランドルフは、ずっとしたかった事ができて嬉しくてならない。
 マリアリーシャの乳房は、見ているだけでも興奮する大きさと形の美しさがある。母性の象徴とも言えるそれを、時々荒れ狂った気持ちで「滅茶苦茶にしてやりたい」と獰猛に思った事が何度あるか。
 柔らかな乳房がふにふにとランドルフの肉棒を包み、両側から押しているからか膣内に挿入しているようにきつい。

 

「っはぁ……」

 

 色っぽい吐息をついてランドルフは腰を引き、ガチガチに強張ったモノの先端でクリクリとマリアリーシャの乳首をいじめた。

 

「ぁ、やぁ……っ、ん、んぁ……っ」
「マリア、こんな事をされて感じていたのか? 何も触れていないのに乳首がこんなに硬くなっている」
「ち、ちが……っ、ぁ、あ……っ」

 

 鰓の張った凶暴な亀頭にいじめられて嗜虐心をそそる声を出すマリアリーシャは、もじもじと腰をくねらせた。
 ――欲しがってくれている。
 妻の花弁に触れずとも察したランドルフは、マリアリーシャの太腿を掴み左右に割り開いた。

 

「あっ」
「……濡れてるな」

 

 綺麗な色の花弁には透明な蜜が纏わり付き、脚を開かれてくぱ……と小さく啼いた。
 そこにランドルフは亀頭を擦りつけ、次第に性器が触れ合う音が大きくなってゆく。

 

「や……っ、やぁ、ラン、――ドル、フ……っ」

 

 ニチャッニチャッと淫靡な音が寝室に響き、マリアリーシャが「焦らさないで」という目をしたのを見てから、ランドルフは自身の竿に手を添え、ぐぷっと亀頭を蜜口に押し込んだ。

 

「あぁああ……っ!」

 

 一度目の交わりですでにたっぷり潤っているそこは、柔らかくランドルフを迎え入れ呑み込む。食い千切られそうなぐらい締め付けがいいのに、膣肉はヌルヌルと彼の竿を包み、奥へ迎え入れようとする。

 

「いやらしい……っ、妻だ」

 

 彼女の平らなお腹を掌でまるく撫でてから、ランドルフは細腰を両手で掴んでズンッと突き上げる。

 

「んあぁああぁ……っ!」

 

 ピクピクッと膣襞が蠢き、マリアリーシャが感じ入った声を出す。
 女神のように美しい女の本能の声を聞き、興奮したランドルフは獣のように腰を動かし、妻を追い詰める。
 グッチュグッチュとすさまじい音がし、大きなマットがたわむ。
 シーツの上でマリアリーシャの金色の髪が、芸術的な形に広がり、男の律動と同じリズムで乱れてゆく。

 

(気持ちいい……っ、頭が、――馬鹿になる……っ)

 

 普段、あまりに神聖すぎる美貌を持つが故に、宮殿の男たちも声を掛けそびれている美しい亡国の女王を、自分が女として花開かせ、蹂躙しているのだ。
 誰もが触りたいと思う乳房が、こんなに卑猥に跳ねている姿を見るのは自分だけ。
 彼女の肌がどこまでも白いのを知っているのも、自分だけ。
 とろけた顔がどれだけ愛らしいか、潤んだ蜜肉がどれほどの性感を与えてくれるのか、すべて知っているのは自分だけだという優越感がランドルフの興奮を煽る。

 

「俺の……っ、女だ……っ」

 

 獰猛にうなったかと思うと、ランドルフはマリアリーシャの膝の裏を押し上げ、秘部が天井を向くようなポーズにさせる。

 

「やっ、やぁ! 恥ずかしい……っ」

 

 かつてファナキアの巫女王と呼ばれた貴人が、自分の欲棒に貫かれ、脚を開いたポーズでいやらしく犯されている。

 

(これ以上の幸せはない……っ)

 

 熱の籠もった青い目でマリアリーシャを見下ろしたランドルフは、ペロリと舌なめずりをしたあとに深い場所まで彼女を貫き、ぐりぐりと亀頭で子宮口を押し潰す。

 

「んぁっ、あぁあああぁ……っ!」

 

 ビクンッとマリアリーシャの体が大きく跳ね、小さな孔からプシャッと透明な愛潮が噴き出した。それはランドルフの下腹部と彼女の体にかかり、肌を淫らに濡らしてゆく。

 

「あぁ……っ」

 

 ぎゅうっときつく膣肉に絞り上げられ、ランドルフは艶冶な吐息を漏らしてから妻の膣内に遠慮なく精を注いでいった。
 痙攣する温かな膣肉に包まれ、ランドルフは目を閉じて天井を仰ぐ。
 自分の肉棒がビクビクと跳ねながら、思う存分白濁を吐く感覚を味わい、陶酔する。
 注ぐだけ注いで目を開くと、マリアリーシャの腰を下ろしながら彼女の様子を見た。

 

 彼女は真っ白な肌を紅潮させ、汗だくになって放心していた。
 金色の目は涙に潤み、ここではないどこかを見ている。
 愛する女を達かせる事ができた達成感に包まれ、ランドルフは繋がったままマリアリーシャの頭を撫で、額に口づけた。

 

 

 

 そのように濃厚な蜜月を一か月続け、マリアリーシャが懐妊しないはずがない。
 彼女が帝国に嫁いだ翌年には、マリアリーシャは黒髪の男児に乳を飲ませ、それこそ聖母という顔で息子を見つめていた。

 

「ラウルはよく乳を飲むな。……マリアの乳は俺のものだと思っていたのに」
「もう。子供にまで嫉妬なさらないでください」

 

 長い金髪を邪魔にならないよう三つ編みにしたマリアリーシャは、変わらぬ美貌で夫を軽く睨む。

 

「まぁ、しばらくはラウルに貸しておくか。君が大丈夫と言ったらまた抱かせてもらうから、その時は覚悟してほしい」

 

 パチンとウインクをされて、マリアリーシャは赤面した。

 

「この子はいずれ帝国の皇帝になる。俺も良き父としてこの子と国を導いていかなければ。……その隣には君にいてほしいし、もっと多くの子供たちにも囲まれたい」

 

 愛しげに妻を見つめると、彼女は頬を赤らめたまま、幸せそうに、けれどまじめに「はい」と頷く。

 

「女の子が生まれたら、君に似て美女になるだろうな……」

 

 今から子煩悩になる自分が想像でき、ランドルは「らしくない」と思いつつも「悪くない」と思うのだった。

                                                                           

   完